Report|音の上映会 Kino Iglu meets UQiYO -Lost in Wonderland-

EVENT / 2015.12.22 posted

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音の上映会 Kino Iglu meets UQiYO -Lost in Wonderland-
■日 時:2015年11月21日(土)19:00-21:00
■出 演:Kino IgluUQiYO/酒井景都(ゲストボーカル)
■告知ページ:http://krei-project.com/log/4624


普段はクリエイター向けのシェアオフィスのワークスペースとして運営されているKREI SALONで、一夜限りの映画上映会を開催しました。
Kino Iglu(キノ・イグルー)がセレクトしたサイレント映画に、UQiYO(ウキヨ)が生演奏で音楽をつけるという上映会です。
映画を構成する“音”という要素を新たなものに差し替えることで、視点や印象がどのような影響を受けるのか、出演者も観客も一体となってKREIの空間で実験をしているような、特別な上映会となりました。

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KREI SALONは現代美術書やマテリアル展示に囲まれた天井高 5.5m の空間です。映画を映し出せるようなスクリーンはありませんが、打ちっ放しのコンクリート壁があり、今回の上映会では映画をそこに投影してみたところ、とてもいい感じに。
満員のお客様を迎え、まずはUQiYOさんの演奏で『音の上映会』の幕開けです。

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上映作品は3作品。それぞれ趣向を変えた映画と音楽のコラボレーションをご用意しました。

<section 1>
『月世界旅行 カラー復元版』1902年 / フランス / 14分 / ジョルジュ・メリエス

UQiYOさんの音楽からキノ・イグルーさんがイメージしてセレクトした映画です。キノ・イグルーの有坂塁さんは、UQiYOの音楽からこの映画のエッセンスを感じたと言います。
「UQiYOの音は、意識の中にとどまらずに、無限の世界まで連れていってくれる。そんな気持ち良さを、ぼくは感じます。」

キノ・イグルー 有坂塁さん
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3作品すべて、UQiYOさんの音楽を生演奏でつけたバージョンと、オリジナルの音楽がついたバージョンの2回上映するのですが、どちらを先にするかも重要なポイント。見る映像は同じですが耳に入ってくる音が違うので、2回目に見る方は最初に見たものとの比較を行うことになります。この順番についても、かなり念入りに打ち合わせを行い、一作品目の『月世界旅行 カラー復元版』は、UQiYOさんの音楽のバージョンを先に上映しました。

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UQiYOさんが『月世界旅行』のためにアレンジした曲たちは、未知の世界に対するキラキラした好奇心を感じ、神秘的な音、コミカルな音、シーンによって様々に私たちを楽しませてくれました。
替わってオリジナルの音楽がついたものを上映。『月世界旅行』と言うと、サイレント映画の中ではポピュラーな方なので、見たことがある人も多いのではと思っていましたが、今回キノ・イグルーさんがセレクトしてきたものは、その予想を超え、フランスのエレクトロポップデュオ、Air(エール)が音楽をつけたバージョンのものでした。
Airが『月世界旅行』にインスパイアされて作り、2012年にリリースされたものですが、UQiYOさんの音の時にはカラフルで可愛らしく映ったカラー復元版の色彩も、Airの音の前では一気にサイケデリックな印象に。

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2作品目は『(シークレット)』と謳っていた作品の上映です。当日にキノ・イグルーさんからUQiYOさんへ上映作品を開示し、その場で即興で演奏することで、キノ・イグルーさんが何をセレクトするか、UQiYOさんがそれにどうやって音で応えるか、映画と音楽の感性の衝突を体験する時間にしたいと考えました。そしてキノ・イグルーさんから開示された作品は、『マクドナルド橋の恋人たち』です。

<section 2>
『マクドナルド橋の恋人たち』1961年 / フランス / 5分 / アニエス・ヴァルダ
(『5時から7時までのクレオ』映画内映画)

アニエス・ヴァルダの長編劇映画『5時から7時までのクレオ』の映画内映画として作られたコメディ調のサイレント映画です。ジャン=リュック・ゴダールとアンナ・カリーナ扮する恋人たちが橋の上で手を振って別れるシーンから始まるこの映画。恋人役の二人は実生活でも恋人同士で、ゴダールがとても恥ずかしがってこの映画を見ようとしなかった、、という微笑ましいエピソードをキノ・イグルーの有坂さんが挟みつつも、UQiYOさんのまわりには即興演奏への緊張感が漂っていました。オリジナルの上映後、15分間の休憩を挟み、いよいよUQiYOさんの音をつけたバージョンの上映が始まります。

UQiYO Simaさん
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UQiYO Phantaoさん
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UQiYO Yuqiさん
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映画が映し出されるコンクリートの壁面が、UQiYOさんたちの背後になるような構図だったので、後ろをじっと見つめながらの即興演奏です。
数分前にオリジナルの音で作品を観たばかりのはずなのに、UQiYOさんの音をつけて観る映画の中の恋人たちのやり取りは新鮮で、思わず展開を見守るような気持ちになりました。これもUQiYOさんの音のセンスの為せる技ですね。

そして最後の作品、『不思議の国のアリス』の上映です。

<section 2>
『不思議の国のアリス 1903年版』1903年 / イギリス / 8分 / セシル・M・ヘプワース、パーシー・ストウ

キノ・イグルーさんには、「UQiYOの音楽をつけてみたらまた異なった魅力が発見できると思う映画を」というリクエストの仕方をしました。UQiYOさんには、今回のために楽曲制作に取り組んでいただきました。ゲストボーカルに中田ヤスタカと“COLTEMONIKHA”としてミュージシャン活動を行うモデル/デザイナーの酒井景都さんを迎え、必見の一作品です。

酒井景都さん
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酒井景都さんの透きとおる歌声と、まるでアリスそのものの出で立ち、UQiYOさんの圧倒的な世界観で奏でられる『不思議の国のアリス』に、会場が魅了されました。
演奏された楽曲は、1月にリリースされるUQiYOさんのアルバム『Black Box』の中に、「Lost in Wonderland」というタイトルで収録されるとのことです。
上映会企画から生まれた楽曲が、より多くのみなさんに届くことになり、うれしい気持ちでいっぱいです。

各作品の合間には、UQiYOさんとキノ・イグルー有坂さんとで感想を言い合う時間を取り、UQiYOさんには演奏テクニックのお話やサイレント映画に音をつけるというチャレンジに対する想いを、キノ・イグルーさんには映画の裏話やなぜこのサイレント映画を選んだかなどが伺えました。

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映画の楽しみ方は時代によって変わります。
サイレント映画をオーケストラの生演奏をつけて観るような過去の楽しみ方を再現する方法もあれば、三次元から四次元の世界(例えば香りなど)を取り入れていくような最新技術を駆使した楽しみ方もあり、今はあらゆる方法が試せる時代です。
ここKREIでは、他の場所では味わえない特別な体験ができる場として、今後も様々な企画を考えていきたいと思いますので、どうぞご注目ください。

[コミュニティ・ファシリテーター:山崎]

閉場後、リラックスした雰囲気で上映会を振り返るみなさん
左からキノ・イグルー 渡辺さん、有坂さん、UQiYO Yuqiさん、Phantaoさん、Simaさん
この様子はUQiYOさんのファンクラブサイトでBack Stage Movieとして見ることができます

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photo by NAKAYASU Hideo

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